第12章 愛のかたまり
―ピンポーンッ…
男「すみませーん!」
玄関扉越しに男性が呼び掛けてくる。
潤「引っ越し業者ですか?」
潤さんが親指をクイッと横にねかせて、俺に尋ねてくる。
「え?予約がいっぱいだからって、来週来る予定だけど…。誰だろ?」
斗真「じゃあ、お隣さんとかかな?お前ら煩いよ!って言いに来たとか?」
翔「ああ、そうかもね。僕が対応するから潤たちは大野くんと一緒に片付けをはじめてて」
和「わかりました」
潤「ういーっす」
斗真「りょうかい!」
櫻井翔くんが玄関に向かっていった。
和「それじゃ、始めましょうかね?大野さん、どこから片します?」
「えっと…、櫻井翔くんの所にあるものは捨てようと思ってるから…とりあえず…、これを…」
潤「ええっ!捨てるんすか⁉」
斗真「勿体なーい」
和「いいんじゃないですか?捨てちゃっても。あっちの家にあるものは要らないんですから。それに…」
‘それに’までで言い淀む二宮さん。
潤「“それに”、なんだよ?」
斗真さんが潤さんの肩に腕を回して「ニッブイなあ、潤は」と脇腹を突っついた。
潤「はあ?鈍くねえし」
そう言って、斗真さんの腹をグーパンした。
斗真「いって!ちょっとは加減しろよ!このにぶ潤め!」