第12章 愛のかたまり
潤さんがおずおずと右手を上げた。
それから、腕組みをした櫻井翔くんに「俺が悪いです」と頭を下げた。
あっ…!
この光景…。
「んふふ」
まるで、櫻井翔くんに初めて会ったあの日のようで。
俺はなんだか懐かしくて、思わず笑ってしまった。
そんな俺を、みんなが見てくる。
「え?なに?どうしたの?」
和「大野さん、良かったあ!」
二宮さんが抱きついてきた。
「え?なに?なに?」
戸惑っていたら、更に斗真さんも背中側から抱きついてきた。
なに、このイケメンサンドイッチ状態は?
斗真「大野くん!」
2人してギューッと抱きついてくるから、ちょっと息苦しい。
そんな3人で抱き合ってるところに、潤さんが手を広げながら、俺たちに近づいてきた。
翔「潤。お前はだーめ!」
櫻井翔くんが、潤さんの服を後ろからグイッと引っ張った。
その拍子に後ろによろめく潤さん。
潤「え?ちょ、何でっ?」
櫻井翔くんが潤さんの肩に腕を回して、
翔「お前は、なんか…目的が和也たちと違う感じがするから」
潤さんが首を傾げる。
和「言えてる」
斗真「確かに♪」
潤「はああ?どういう意味だよ⁉」
潤さんが俺たちに再び近づこうとした。
~ら、また櫻井翔くんが後ろに引っ張って止めた。
翔「潤。ハウス!」
潤「俺は、犬じゃねえっての!」
口調とは違って、あからさまにシュンとなる潤さん。
その姿に堪えきれず、また噴き出した。