第12章 愛のかたまり
医師から、「熱も下がったようなので家に帰ってゆっくり休んでください」と言われたので、すぐさま帰ることにした。
俺は電車で帰ろうとしたけど、また倒れるかもと櫻井翔くんたちに心配されて、家までタクシーで送ってもらった。
それから3人を部屋に招いて、助けてもらったお礼にコーヒーを振る舞った。
3人とも淹れたてなのに流し込むように飲んで、
翔「大野君。それでは、お暇します。お大事になさってくださいね」
~と、そそくさと3人が立ち上がった。
「え?もう帰るの?もうちょっと、ゆっくりしていきなよ」
そう言って、立ち上がろうとした。
すると、潤?さんが俺の肩に手を置いて「座っててください」と押し戻された。
翔「お医者さんも言ってたじゃないですか。ゆっくり休めって。だから、今日はもう横になってください。体調が回復したら、また会いましょうよ、ね?」
そう言って、3人は帰っていった。
5分もしないうちに、インターフォンが鳴った。
あれ?
忘れ物かな?
「どうしたの?忘れ物?」
そう言いながら、覗き窓を確認することなく玄関扉を開けた。
ああ…。
なんで、いつも通りに、確認、しなかったかなあ…。
扉が閉まると同時に俺の身体は床に叩きつけられた。