第12章 愛のかたまり
櫻井翔くんを足元からスーッと眺めた。
最後に会ったのは、まだ高校生だった。
4年経った今、あどけなさはすっかり抜けていて…。
ますますイイオトコになったな…。
翔「大野くんが就職してから、会わなくなりましたよね?」
ああ、そうだ…。
あの頃から先生が俺にも当たってくるようになってきたんだ…。
それに、人に会うことも職場以外の外出も制限されてるから…。
翔「大野くん?」
櫻井翔くんが俺の手をギュッと握ってきた。
「え?あ、そう、だね。活動時間が合わなくなったのかな?」
櫻井翔くんには、こんな弱ってるところをあんまり見せたくない。
必死でニコッと笑って見せた。
櫻井翔くんがじっと見つめてきた。
「なに?どしたの?」
翔「ああ、いえ。大野くんは、変わらないなあって思って」
…?
翔「いえ。何でもないです。忘れてくださいっっ」
そう言って、目をそらした。
それから、「飲み物買ってきますね」と櫻井翔くんが出ていった。
潤「あの…ちょっと聞いていいですか?翔さんとはかなり前からの知り合いなんですか?」
潤?さんが右手をソーッと上げて、太めの眉毛をハの字にして尋ねてきた。