第12章 愛のかたまり
雅「あ、あの、頭をあげて?もう、大丈夫だから、ね?」
男の子がゆっくりと頭をあげた。
俺は、一瞬呼吸するのを忘れてしまった。
そして、隣の相葉っちからは、ゴキュンって音が聞こえてきた。
「きれい…」
ー「え?」
俺は、思わず呟いてしまっていた。
そう。
そのくらいに、キレイな顔立ちをしてたんだ。
幸い、男の子の耳には届いてなかったみたい。
何回も「え?」って言ってたから。
相葉っちが男の子の両手を取って、
雅「そんなに謝んなくていいよ?だって、あんなの、ぜーんぜん、気にしてないから!ね?大ちゃんもそうだよね?」
「うん…」
男の子の顔がパアッと明るくなった。
ー「ほんとですか?ありがとうございます!」
雅「ふっふっふ。‘おにいさん’たちは、心が広いからね。あんなことくらいじゃあ、怒らないよ、ね?大ちゃんもそうだよね?」
相葉っちが俺の方を振り返って、グギギって音が聞こえてきそうな、へったくそなウインクをしてきた。
なんだあ?
そのウインクは?
ちょっと、怖いんだけど…。
「ああ、まあ。そう、だね…」
雅「あ、そんなことよりもさあ~」
相葉っち、そんなことって…。
俺よりも、どっちかつうと相葉っちの方がムカついてたじゃん?
雅「君ってすごいね!」