第12章 愛のかたまり
男の子たちは、グラウンドに走って戻ろうとした。
すると、声をかけてきた男の子が、リーダー格の男の子の腕をガシッと掴んで動きを止めた。
ー「戻る前に、やることがあるだろ?」
そう言ってから、ギロリと男の子たち全員を睨み付けた。
少年C「え?っと、何を?です、か?」
全員を一瞥してから、
ー「はあ?何を?だと?この人たちに、謝るんだよ?目上の人に対してなんだ?あの態度は?いくら、子供でも許されないこともあるんだよ?わかったか?」
さっき聞いた声よりもワントーン低い声で、ゆっくりと諭すように話している。
それから、俺らの前に4人を横一列に並ばせた。
ー「ほら、何て言うんだ?」
男の子たちは、ビクッと震えて、一斉に深く頭を下げた。
少年CDEF「「すみませんでした!!!!」」
ー「よし。練習に戻っていいぞ」
全員が「はい!」と言って、グラウンドへ走って行った。
この子、すげえ…。
隣で相葉っちも「すげえっ!」って言って、拍手している。
男の子が突然走り出して、金網の内から外に出てきた。
そして、俺らの前に立った。
それから、膝に手を置いてバッと頭を下げた。
ー「あの、俺からも謝ります。後輩が失礼なことを言いまして、すみませんでした!」