第2章 僕は、便利屋。①
〇〇〇?「はじめまして。今日は、よろしくお願いします!」
頭が地面に付くんじゃねぇかってくらい、お辞儀してくる。
なんとも、爽やかな…。人の良さが溢れ出ている。赤いダッフルコートがよく似合っている。…それにしても。無駄にスタイルがいいなあ。松兄ぃも、スタイルいいけど、この人はシュッてしてる。
〇〇〇?「…あ、あのぉ。俺、時間、間違えました?」
「あ、いや、合ってます。はじめまして、二宮和也です。こちらこそ、お願いします」
握手をしてから、ベンチに座る。
〇〇〇?「すみません。こんな変なこと頼んで。他にも、かけあったんですけど。全部断られて…やっと、あなたが引き受けてくれて…」
「まあ、そうでしょうね?…ところで。本当に私なんかでよろしいんですか?」
〇〇〇?「はい。あなたが、いいんです!」
俺の目を真っ直ぐに見て、言ってくる。なんだか、調子狂うなぁ。この人、捨てられた子犬みたいで、放っておけないなぁ。
「親御さんを説得させるのなら、女性の方が…」
〇〇〇?「……それが。事前に社長さんにお話ししましたけど。田舎でお見合いさせられそうなんです。僕、まだこちらで、やりたいこともあって…。それで、思わず、言ってしまったんです。………僕は男が好きで、婚約もしたって…」
「………」