第12章 愛のかたまり
蹲っていた2人が立ち上がり、けがをしていない方の男の子が肩を支えながら歩き出した。
「どうしたの?」
雅「んっとね、ボールを取りに来た子を避けたら、バランス崩してこけてね。それで擦りむいたみたいだね?」
うわっ。
それは、、
「痛そ…」
雅「うん。いったそうだね…」
なんてことを相葉っちと話してたら。
男の子たちに先生らしき女性が近づいて何か話してる。
そして、けがをした子と肩を組んで校舎の方へと歩いて行った。
もう一人の男の子が2人の後ろ姿に向かって深々と頭を下げた。
雅「あの子、しっかりした子だね」
「そだね」
身長からみて、大体…小3くらいかな?
ほんとに、すごいしっかりしてるなあ。
相葉っちが、ゴールポストの側の4人組を指差した。
そして、中心で大笑いしてる男の子を睨み付けた。
雅「てかさ。あの子がけがさせたってのに!むちゃくちゃ笑ってるよ!嫌なやつだね?」
見ると、中心に居る男の子は他の3人と腹を抱えて笑っている。
俺は、経過を見ていないけど。
見てた相葉っちがそう思うんなら…
「そうかも?」
雅「もう!大ちゃんって、時々冷たいよね!」
「そう…かな?」
相葉っちが俺の肩をガシッと掴んできて、前後左右に身体を揺らされた。
雅「そうだよ!だって!絶対にけがをさせた人の方が悪いじゃん!」