第11章 僕は、便利屋。⑤
和「うわあ、うまそ。これ全部翔ちゃんが作ったの?」
テーブルの上には五段のお重弁当が並べられている。
翔が『うん。かずくんとじゅんくんに教えてもらいながら作ったの』とお皿をニノに手渡す。
和「“かずくん”と“じゅんくん”って誰?」
「ああ。お隣さんだよ。2人とも料理の専門学校に行っててさ。翔に教えてくれるんだよ。お蔭ですごく上達したんだよ。弁当もさ、昨日の夜から仕込みして早起きして作ったんだよな、翔?」
皿を配り終えて、お茶をコップに注ぎながら翔が頷く。
この弁当のせいで昨日はイチャつけなかったからな。
それもこの苛立ちの原因かもな?
ニノが「翔ちゃんありがとう」って抱きついた。
このニノの多すぎるスキンシップも苛立ちの…って、俺、心激せまっ!
これ食い終わったら翔と2人になれるんだから…。
我慢、我慢…。
和「翔ちゃ~ん。あ~んしてごらん?」
はああ~?
翔が大きく口を開けてニノの手からおにぎりを食べさせてもらった。
はああ~?
ニノと翔が向かい合って、「おいしいね~」なんて言ってる。
か、かわいい…。
さっきまでの苛立ちも少しは軽く…
和「翔ちゃん。俺にも食べさせて?あ~ん…」
はああ~?
前言撤回!
全然ならねーや!
むしろ、倍増したわ!
雅「はあ~♪2人ともなんて可愛いんだ!」
俺の隣で恍惚の表情の相葉さんがスマホで2人を連写していた。
相葉さんって…
ちょっと…へんたい?