第11章 僕は、便利屋。⑤
松岡「なあ、大野。明日は休んでいいからな?」
……急に、なんだ?
「松兄ぃ。何言ってんだ?明日も仕事入ってるだろ?いつも人手不足だって言ってんのに…。何企んでんだよ?」
松岡「お前、明日のこと知らねえの?」
「は?明日…なんかあったっけ?」
松兄ぃが大袈裟にタメ息を吐いて
松岡「大野。マジで言ってんのか?明日は翔の誕生日だろーが!」
「マジか……」
松岡「お前、マジで知らなかったのか?恋人だろ?」
そんなにのけぞって驚かなくても…。
マジで知らなかったし。
つうか、そんな話したことねえな…。
毎晩ボディトークはするけどな…。
後頭部に刺激がきて、
松岡「ニヤニヤしてきしょい奴だな!まったく…。寸志出すから、たまにはどこか連れてってやれ、な?」
松兄ぃが茶封筒を差し出してきた。
恭しく受け取った。
「わかった。でも、どこに連れてったらいいんだ?俺そういうのわかんねっからさ」
松岡「はは。そうだろうな。翔に聞いてみりゃいいんじゃねえか?」
和「はよーっす。松兄ぃ…っと、2人してなにしてんの?」
松岡「おっ。ニノ。いいところに来た。大野の相談に乗ってやってくれや」
ニノが鞄をロッカーに入れながら「ヤダよ!」と、内容も聞かずに断ってきやがった。
そうだった?!
こいつはこんな奴だったな。
俺も人のこと言えねえけど。
翔がトレーにコーヒーを4人分乗せて入ってきた。
みんな我先にコーヒーを取っていった。