第10章 さよなら ぼくのともだち
松潤が勢いよくソファーから転げ落ちた。
俺は、翔ちゃんを抱き寄せて
「俺の、俺の、俺の翔…だぞっ!!」
俺の腕の中の翔ちゃんは驚いて固まってしまっている。
普段怒り慣れてないから、久しぶりの怒声に喉がヒリヒリとしてきた。
喉の辺りを押さえながら咳払いをしていると、松潤が立ち上がって拍手した。
潤「ふははっ。今のが答えなんじゃないの?翔さん…?」
「え?どゆこと?答え?え?は?はあ?」
松潤と翔ちゃんが頷き合っている。
は?なに?
俺、仲間はずれ?
翔ちゃんが俺の腕の中からスルリと脱け出して松潤と抱き合った。
松潤が「あとは一人でもいけるよな?」と翔ちゃんの背中をポンポンと叩いて、ガッツポーズをしてから帰っていった。
俺は今だに状況がわかってない。
翔「雅紀、試すようなことしてごめん…」
「試す?…どゆこと?」
翔ちゃんがソファーに座ったから、俺も隣に座った。
それを見てから、翔ちゃんがポツポツと喋り始めた。
俺との関係が始まってから直ぐに好きになってしまったこと。
そのことを松潤に見抜かれて、相談に乗って貰っていたこと。
俺が早く仕事が終わった時に風ぽんやよこと遊ぶことが寂しくて腹立たしかったこと。
このままじゃ自分の醜い感情で俺に何をするかわからないから、この関係に決着をつけたかったこと。
翔ちゃん。
そんなことを思ってたんだ…。