第10章 さよなら ぼくのともだち
「松潤、急にどうしたの?」
潤「急にじゃねえよ。LINEしといただろ?」
「LINE…?あ、見てないや…」
潤「なんで見てないんだよ?既読になってたぞ?ま、いいや。あのさ、翔くんとまーってさ…付き合ってんの?」
松潤が俺と翔ちゃんを交互に見てくる。
翔ちゃんがふるふると首を横に振った。
うん…。そうだよね…。
そうなんだけどさ…。
実際に目の前で否定されると、ショックだな…。
潤「ほんとに?付き合ってない?」
「うん…」
答えながらチラリと翔ちゃんを見る。
翔ちゃんは膝を抱えて一点を見ていた。
潤「そっか。じゃ、俺が翔くんと付き合いたいって言っても良いんだ?」
俺と翔ちゃんはほぼ同時に松潤を見た。
「えっと……。い、良いんじゃない?は、ははっ。ま、松潤は、昔から翔ちゃんっ子だったもんね?ははっ…」
頑張って笑顔を作ろうとしても乾いた笑いしか出てこない。
潤「それじゃ、遠慮なく。翔くん、俺と付き合ってください」
松潤が翔ちゃんに向かって右手を差し出した。
胸がギュウッと締め付けられる。
翔「潤…、なに言って…俺は…」
松潤が翔ちゃんの腕を掴んで抱き寄せて、徐々に顔が近づいて…
「ダメーーーッ!」
俺は、無我夢中で松潤を突き飛ばしていた。