第10章 さよなら ぼくのともだち
それまでもね、気になる存在ではあったんだ。
でも、この人見知りな性格が災いして中々話すことができなかった。
ちゃんと話すようになったのは、グループ組んだとき。
まさか、同じグループになるとは考えもしなかった。
ニノが間に入ってくれて、話すうちに徐々に2人だけで話せるようになってきて。
年上の2人は、いつも俺たちを見守ってくれてて。
だから、俺にとって大ちゃんと翔ちゃんはメンバーだけど、親みたいな兄貴みたいな、時には友達だったり…っていうそんな存在だった。
2013年の8月25日。
翔ちゃんが楽屋で倒れた。
夏恒例の大型番組のメインパーソナリティを去年に引き続き行うことになった俺ら。
翔ちゃんが色々頑張ってること知ってたのに…。
最後の翔ちゃんが一人でMCをするコーナーに入る前のことだった。
意識ははっきりしてたけど、着替えることも出来ないくらいに力尽きてた。
メンバー4人で協力して着替えさせて、スタッフに頼んでMCは全員ですることにしてもらった。
その日の打ち上げで、翔ちゃんは気丈に振る舞ってた。
でも、一人でこっそり泣いてるところを偶然見てしまったんだ。
俺は気づいたら泣いてる翔ちゃんを抱き締めていた。
「あ、ごめん…」
翔「ううん。相葉くん、ありがとう…もう大丈夫だから、みんなのところに戻って…」
そう言って笑った翔ちゃんはとても儚くて…。
でも、とっても綺麗で…。