第10章 さよなら ぼくのともだち
一気に話して疲れたのか?
コクリコクリと舟を漕ぎ出した。
ふふふ。疲れてんのね?
「翔ちゃん。ベッドで寝ようね?ソファーだと身体が痛くなっちゃうからね。歩ける?」
翔「ふふふ…もう食べれにゃいよ?」
「翔ちゃん?」
寝ぼけてんのかな?
とりあえずベッドで寝てもらわなきゃ。
肩を抱き寄せて、膝裏に手を差し込んだら
翔「いやいやいや~。まだ食べゆの!」
頭をブンブンと振って手足をバタつかせてきた。
「暴れないでよぉ。抱っこできないよ?」
何の夢を見てるのか?わからないけど…。
口をモグモグと動かしてるから何か美味しいもの食べてるのかな?
他のメンバーやスタッフ、ファンのみんなには見せられないほど普段の彼とかけ離れている。
俺の前では、いつもこうだ。
彼一人のレギュラー番組の収録がある日は特に約束をしているわけではないけれど、こうやって俺の家で会っている。
だから、合鍵を渡してある。
彼女にもあげたことないのにな…。
これじゃ、まるで付き合ってるみたいだな…。