第10章 さよなら ぼくのともだち
「ただいま~!」
リビングのドアを勢いよく開ける。
と、同時に俺の胸にバフッと飛び込んできた。
「うぅ~、ぐすっ…」
「もう、泣かないの、ね?」
背中と頭をポンポンと撫でてあげた。
すると、安心したのか?
顔を上げてにこりと笑ってくれた。
「あ~あ。イケメンが台無し。ははは」
俺が帰るまで一人で泣いていたんだろうか?
顔が泣きすぎて、ぐしゃぐしゃだ。
涙のあとを指で拭いてあげると、
「俺、イケメンじゃねえし…」
いつもの口調に戻った。
ふう。良かったぁ。
「何があったの?雅紀くんに言ってみな?」
俺から離れて、ソファーに座った。
隣をポンポンと叩いて手招きしてきた。
ふふふ。可愛い。
彼の隣に座った。
俺の目を見ながらポツリポツリと話始めた。
自分のレギュラー番組のスタッフが新しい人に代わって、その人からのダメ出しが多すぎて落ち込んだこと。
改善したいから「具体的に直してほしいところを教えてほしい」と言っても、「とにかく駄目だ」の一点張りでどうしたらいいのか?わからなくなってしまったこと。
そのことで悩んでいると…。