第9章 僕は、便利屋。④
「俺には、似合わねえって!」
智「そんなこと無えよ?な、ニノも翔もそう思うよな?ぷぷっ」
和「そうだねー。とっても、似合ってますよ?ぷくくっ」
「笑ってんじゃねえかっ!もういいっ!辞めだ辞めだ!ニノが行ってくれよ!」
デスクをバンッと叩いて、服を脱ごうとしていたら…
翔が俺の腕を掴んできて『まさひろさん。似合ってるよ。ぼくと一緒に行って下さい』と口パクで言ってきた。
和「はい、松兄ぃの負け~。翔ちゃんのお願いなんだから、一緒に行ってあげなよ。智もOKでしょ?」
智「ああ。松兄ぃ。翔を頼んだ」
「お?おおっ!ま、任せろ!」
「デケエ家だな?」
隣で、口をあんぐりと開けてる翔に、同意を求めたけど…その顔で充分伝わってきたよ。
翔は父親からの虐待のせいで声が出なくなっちまった。
そのためか?表情がとても読み取り辛い。
でもさ、大野と付き合い出してから、大分柔らかくなったんだ。
素直で美人で優しくて…。
あの、大野が執着するくらいだから、それ以外の魅力ももちろんあると思うけど、あんまり翔のことを語るとまた大野に何言われるかわかんねえから、この辺で止めとくよ。