第9章 僕は、便利屋。④
「なあ。やっぱり、俺帰っていいか?」
翔が『まさひろさん。お願いします。一緒に行って下さい』って、頻りに言ってくるからさ。
気乗りしねえけど、仕事だしな。
よし!たったの2日だ!
漢(おとこ)松岡昌宏!
覚悟決めやした!
まあ、そうなるだろうと思ってたけどよ?
翔は、小柄で顔も綺麗だからいいけどよ?
俺は、タッパはあるしよ。ゴツいしよ。
だから、ニノが行けば良かったのによー。
大野との方に行きやがって…。
依頼人「あの…、うちは女性しか雇ってないんですが…。失礼ですが、貴方、本当に…女性ですか?」
依頼人が俺に向かって問いかけてくる。
だから、無理だって言ったんだ。
でも…ここまできたら、なりきってやるぜ!
「ええ。正真正銘の女子です…。本日から2日間。よろしくお願いいたします」
俺は、やりきったぞ!
翔も不器用ながら一生懸命やってくれた。
依頼人「貴方たち。素晴らしいわ。正式に雇いたいくらいよ」
「いたみいります」
依頼人から契約した金額よりも多くいただいた。
俺もなかなかやるな。ふふ~ん♪
「翔。今日はみんなで旨いもんでも食いに行くか?」
翔『うん。楽しみ♪』
俺は、浮かれすぎてた…。
ヤベエ…。
女装のまま、来ちまった…。
智「松兄ぃ。サイコー!」
~って、何枚も写メを撮られた。
大野。テメ、後で覚えとけよ…?