第9章 僕は、便利屋。④
俺は、松岡昌宏。バツイチ、子持ち。
一応ここ[便利屋 storm]の社長やってる。
最近さ。嬉しいことに、看板ムスメというか、美人秘書が入った。
やっぱりさー、社長やってるからには、秘書って憧れるじゃん?
ただ、ちょっと、厄介なのが付いてくるんだけどな…(._.)
扉を開けると俺のデスクを掃除してくれている美人秘書。
最近の朝の風景だ。
「おはよう。今日も早いな、翔」
翔が俺の顔を見て、『おはようございます。まさひろさん』と口パクで言って、ニッコリと笑ってくれた。
この笑顔に癒されるんだよなあ~。
翔の傍に立って
「今日も美人だな?」
翔が顔を赤くして、フルフルと首を横に振る。
あまりの可愛さに、頭を撫でようと手を出したとき…
横から手が出てきて、パシッと叩かれた。
智「気安く俺のものに触るなよ。松兄ぃ」
出たな、厄介者!
じゃなくて、大野!
こいつは、大野智。
翔と1ヶ月前から付き合ってる。
10個下の未成年者に出会ったその日に手を出すようなヤベエやつ。
まあ、翔は可愛すぎるからな。
手を出したい気持ちは、わかるぞ。うんうん。
智「松兄ぃ。全部聞こえてんぞ!」
「おっ?!そうか。悪い悪い」
心の声が漏れちまった。
ヤベエヤベエ。気をつけねえとな。
大野が俺の傍まで来て、耳元で
智「翔に手を出したら、松兄ぃといえど、容赦しねえからな。ふふふ…」
大野の顔を見ると、口角は上がってるけど、目が笑ってなかった。
そうだ。
こいつを怒らせると厄介だった。
気をつけよう…。