第8章 若葉のころを過ぎても
【A】
あの日から、翔は熱を出して寝込んでる。
大野に潤おじさんたちのことが、ショックだったんだろうって言われた。
そうだよな?
普通は…男同士がって…受け入れられないよな?
況してや、自分の父親とクラスメイトの父親とが…アヤシイ関係。
なんて、イヤだよな?ショックだよな?
学校が終わって、翔の家に行った。
舞さんがパタパタと駆けてきて「大野くんは?」と、言ってきた。
は?何だよ、それ?!
俺一人じゃ不満か?!
ムカついて、舞さんの質問には答えず「翔は?」と聞いた。
翔母「大分良くなってきてたんだけどね~。昨日、潤さんが帰ってきてから、また熱が上がったのよ~。お医者様は、心配要らないって言うんだけど…」
「そう、ですか…」
俺は、重い足どりで翔の部屋に向かった。
扉の前で深呼吸してから、ノックして部屋に入った。
翔がスーッスーッと寝息をたてて寝ていた。
おでこに〇えピタって…。
可愛いじゃねえかよ…。
翔の首を触ってみた。
アツいな…。
「翔。昨日、また潤おじさんのことでショックなことがあったのか?」
翔の髪をサラサラと撫でながら、話しかけてみた。