第8章 若葉のころを過ぎても
あっ?
なに?今の?
智「ふふ。翔。気持ちイイ?」
首を、もげてしまうんじゃないかってくらい、左右に振った。
違う!
今のは俺じゃない!
自分から出てくる声に戸惑う。
大野くんは、「ふ~ん」なんて言いながら、オレを再び咥えた。
俺は恥ずかしさと気持ちよさで、見てられなくて、目をギュッと瞑った。
「あひゃっ…!」
大野くんが俺のを深く咥えて、ジュルジュルっと吸い上げた。
「こ、こんな、あっ…あうっ…イ、く…」
智「ふふ。ひひにょ?…ひけ…」
「や、やだぁっ…しゃべっ、ちゃっ…ぁあっ」
咄嗟に大野くんの口から離れようと腰を引いたんだけど…。
引き戻されて、大野くんの口内に吐き出してしまった。
智「…ゴクンッ」
ゴクンって…?
「も、しかして…飲んだ?」
肩で息をしながら、大野くんを見てみた。
顔をあげて、口元を手の甲で拭いながら、頷いた。
「うそうそうそ~っ」
恥ずかしすぎて、ここから消えてしまいたいよー!
智「ふふ。翔。可愛いなー。もしかして…」
縛られた手で顔を隠そうとするけど、ままならない。
大野くんが、俺の手を押さえながら、グッと顔を近づけてきた。
智「翔って、童貞?」
「はあああああああっ?!」
なんてことを聞くんだよ⁉
大野くんのバカー!
益々、消えてしまいたくなった…。