第8章 若葉のころを過ぎても
翔「ねえ?大野くん。それって、意味ないんじゃない?」
翔が腹を押さえながら、俺を見上げている。
「はあ~。やっぱり、ビジネスホテルとかと違って聞こえねえか…?」
翔「そうだね。…ああ、やっと治まってきた。大野くん、帰ろうか?」
翔が腹を擦りながら、ムクッと起き上がった。
頭に寝癖がついてる。
うおっ…。か、可愛い…。
「も、もうちょっとだけ、居よ?」
翔が眉間にシワを寄せて
翔「はあ?もう、用は済んだだろ?わかんないままにしておこうよ。ね?そんじゃ、俺先に帰るよ?」
ベッドから降りようとする翔の体を突き飛ばした。
翔が「何すんの⁉」って起き上がろうとするから、上から押さえつけた。
翔に跨がり、両手を頭の上で纏めて抑える。
こんなところで、翔と2人きり…。
何もするなって方が、無理な話だ。
俺の下から逃れようと、ジタバタともがいている。
力は俺の方があるから、逃げられないだろ?
時々背中に足がバシバシと当たってくるから、ちょっと痛い。
目の前のぷっくりとした唇に吸い寄せられるように、キスをした。
唇を離すと、目を見開いて、呆然としている。
その顔に、欲情した…。
そして、俺の理性が吹っ飛んだ…。