第8章 若葉のころを過ぎても
翔にキスして、確信したよ。
この感情は、友情じゃないって。
「好きだよ。翔、好きだ…」
翔の唇を貪る。
翔「…ん~ん~ん~っっ」
放心状態の翔が、息苦しさから頭を振って逃れようとする。
俺は、片手でベルトを外して、翔の両手首を纏めて縛った。
翔「やだやだやだーっ!大野くん、どうしてっ⁉何でこんなことするの?離してよーっ!うっ、ぐすっ…」
翔がついに泣き出してしまった。
足をバタつかせて体を捩るも、俺が跨がっているせいで、逃げられない。
「翔。好きだ。だから、欲しい…」
翔に口付けしようと迫る。
翔がキッと睨み付けてきて
翔「好きだったら、何してもいいの?もう、やめて…?手、ほどいてよ?」
翔が唇をグッと噛み締めて、俺を見上げてくる。
胸がチクッとした。
「ごめん。好きだからって…やり過ぎた…」
翔の両手を拘束するベルトを解こうとしたときに
翔「うん。許してあげる。多分、父さんたちに絆されたんだね?」
コクンと頷く。
~けど…。本当にそうか?
父ちゃんたちが何してるか知らねえけど、俺は…
翔「さあ、早く解いて?そうしたら、俺のファーストキス奪ったことは忘れるから…」