第8章 若葉のころを過ぎても
智「2泊3日?!……あれ?そういえば?」
「どうしたの?」
智「母ちゃんが、父ちゃんも3日くらい居ねえって言ってたような?…偶然か?」
「二宮さんも?」
大野くんと顔を見合わせる。
智「ちょっと、怪しくねえか?ここに居ない筈の2人が揃ってホテルで会ってるってさ?」
多分だけど。同じことが頭を過ったよね?
「2人して、それは無いんじゃない…かな?ははっ」
大野くんが真剣な顔して
智「だからさ、どっちかが、なのか?どっちも、なのか?……なあ、確かめてみないか?」
「どうやって?それにさ、浮気してるかどうかもわからないんだよ?してないかも、だし…」
大野くんが座り直して、俯く。
俺も戻って、再び父さんたちを見た。
2人とも、笑いながら何か話してる。
「ねえ?父さんたち、ここで待ち合わせしてるだけかもよ?これから行くんじゃない?」
大野くんが腕組みをしながら
智「違うだろ?…あっ、どっか行くみたいだ。追いかけるぞ?」
大野くんに手首を掴まれ、引き摺られるように父さんたちの後を追った。