第7章 Still…
相葉さんの家に着いてから、早速呑み始めた。3人ともいつもよりピッチが速かった。
雅「乾きものばっかりじゃ飽きるでしょ~?俺が、得意の麻婆豆腐を作ろうかねぇ。ヒャハハ」
相葉さんが、ふらつきながら台所へ行った。
智「相葉ちゃん、あれで作れるんかな?大分、呑んだで?ニノ、手伝ってやれば~?」
「嫌ですよ。相葉さんが勝手に作るって言い始めたんだから…。させとけばいーんですよ」
って、聞いてない⁉
大野さんは、テーブルとソファーの間にぴったりと挟まって、うつらうつらしている。
「相変わらず、寝るの早っ!全く、もう~!」
寝室からタオルケットを持ってきて、わざと頭からバサッと掛けてやった。
智「ふがっ?!」って、唸ったけどそのまま動かなくなった。
完全に寝たな…。
大野さん…。今はマジで寝ないでよ?相葉さんと2人になっちゃうじゃん~!俺、何するか解んないよ?
雅「ねえ、ニノちゃ~~ん。片栗粉って入れるのいつ?」
は?得意料理なんだろ?
しかも、親父さんの作りかた見てるだろうが!
まったく…。面倒くさいけど、仕方ない。
ゆっくりと立ちあがり、タメ息を吐きながら、台所へ向かった。
「片栗粉は、最後に入れるの!って、出来てるじゃねえか!」
雅「う?これでいーの?とろみ足りなかったら、足せばいーか?」
「いやいや。後から、入れれないだろ?本当に得意なのか?白状しろ!」
相葉さんの肩を掴んで揺らす。
俺の攻撃から逃げて、リビングのテーブルに麻婆豆腐と小皿を置く。
智「おお。旨そう。いただきます」
雅「はーい、召し上がれ」
「おじさん。寝てなかったの?」
智「匂いで起きたあ。うん。うんまいよ、これ。相葉ちゃん天才」
雅「どうもありがとう!俺も食べようっと…まずっ!辛いっ!」
一口食べて、台所へ走っていく相葉さん。
俺も食べてみたら、物凄く塩辛かった。
「うえっ。大野さん、よく食べたな?つうか、また塩一掴みしたのかよ?」
雅「ヒャハハ!そうみたい…。あー、辛いっ!」
あー、辛い。
でも、この感じ…。良いなぁ。
この関係を壊したくないな…。