第7章 Still…
【N】
俺が油断していた。
翔さんをあんな目に合わせた…。
翔さんも潤くんも、相葉さんも大野さんも。
皆、俺のせいじゃないって言ってくれた…。
でも、俺が家に帰ったりしなければ…。
岡田くんが、翔さんを見つめる目…。なんとなく、危機感はあったのに…。
完璧に…俺が原因でしょ?
なのに、誰も責めてこない…。
優しさが…苦しいよ……。
翔ちゃんの病室を出たら、すぐにガチャッという、音がした。
ぷっ。潤くん、焦ってるぅ。
少し前を歩いている相葉さんと大野さん。振り向いたら、俺が笑っていることに2人して不思議顔で…。
智雅「どうしたの~?」
「ん?潤くん。私達が出てすぐに鍵を掛けましたよ」
2人が、歩みを止めた。
智「………マジで?」
雅「ヒャー!松潤、溜まってんのかな?」
「そりゃ、そうでしょ?2週間、全く会えなかったんだから…。でも…」
俯く俺。
言葉が続かない…。
翔さんを傷つけた…。
雅「ニノ?お前のせいじゃないってば。ね?リーダー?」
智「お?おおぅ。そうだぞ?」
大野さんの目線は、ずっと個室の扉に向いている。2人のことが、翔さんのことが、気になって仕方ないのか…。
可哀想…。諦められないんだね?
「大野さん…。帰ろう?」
雅「あのさー、俺の家に来ない?翔ちゃんと潤ちゃんのお疲れ会。しようよ?」
相葉くん。本当に気遣い屋だなぁ。
智「うん、いいけど。主役が居ないで?」
雅「あれ?ま、良いじゃん♪呑もうよ!GO!GO!」
俺と大野さんは、相葉さんの車に強引に乗せられた。
家に向かう途中、コンビニで酒を買った。
久しぶりの相葉さんの家だ。
いつからか?相葉さんに対して邪な想いを抱くようになった。それからは、避けていた…。
この想いは、相葉さんには、受け入れて貰えるわけ無いから…。
バレないように。バレないように!
俺なら、出来る。出来る…。