第6章 distance
【M】
俺たちの家に皆が来てくれて、簡単な食事会みたいなものをした。
3人が明日も朝から仕事だから、と早々に帰っていった。
気を使ってくれたのかな?
後片づけを終わらせて、ソファーに座る。翔が横に座って、肩に凭れてきた。
翔「潤…。これからも、色々とあると思うけど…」
「……うん」
翔「俺と、ずっと一緒にいてほしい…なって…」
なんだか、プロポーズみたいだな?
「ああ……」と俯く。
翔「潤?」と顔を覗き込んできた。
翔「泣かないで?」
涙が溢れてくる。
俺、情けない…。肝心なところは、いつも翔に言って貰って…。
涙を拭って、翔を真っ直ぐ見つめる。
「翔。今の撤回して!」
翔「……え?」
翔を抱き寄せる。
「俺。束縛激しいし、嫉妬深いし、よく泣くし。それに肝心なところは、翔任せだし…」
翔が、俺の腕の中でコクコクと頷いている。
「俺には、貴方しか居ません。こんな俺ですが…、幸せにしてやるよ!」
翔「…ふふっ。上から~。でも、ライブの時みたい…に、格好良い…」
翔の顎を持って、クイッと顔を向けさせる。
「返事は?」
翔「……はい。お願いすぃみゃす!…あっ、噛んじゃったよ~」
はは。普段は頼りがいあるのに…。変なとこで抜けてんだよなあ。そこも、良いんだけど…。
「翔…」
唇を重ねる。
軽く、触れただけなのに。その顔。反則…。
俺を無意識に煽ってくるとこが、堪らなく良い…。
「翔…あの…」
翔「うん。俺もシタい…」
寝室に行くまでに服をすべて剥ぎ取って、ベッドに寝かせる。
「翔…。ずっと疑問に思ってたんだけど。何で、俺がシタい時わかるの?」
翔「ん?ん~、内緒」
「はあ?何で?教えろよ~」と翔の肩に頭をグリグリと押し付ける。
翔「アハハハッ!内緒だってば!」
お互いに擽り合う。身体を捩って笑う翔。
翔「もう…。お腹痛い…」
目が合う…。
どちらからともなく、口付けた…。