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君と共に

第3章 微かな変化


家に帰り、布団の中。
勉強も終え、後は寝るだけなのだがどうしても眠れない。
放課後のことで、少し昔を思い出した。
それは俺がまだ、5、6歳だった頃のこと。

「ねぇねぇ、楓ちゃん。明日からもう遊べないの?」
「うん、そうなんだ…。お父さんとお母さんと遠くに行くんだ。」
「やだよ…。僕も一緒に行く!」
「だめだよ。一樹君のお母さんが心配しちゃうよ。」
「楓ちゃんと離れたくないよ…、うっ、ぐす、うわぁぁぁん!!!」
「一樹君、男の子でしょ!男の子は泣いちゃだめなんだよ!」
「だって、ぐす、もう、うっ、会えないかも、しれない、うっ、だよ…?」
「そんなことないよ!また会えるもん!絶対会えるもん!」
「絶対、ぐすっ、会えるもん、ぐすっ、う、うぅ、うぅぅぅん!!!」

あの後、二人でずっと泣いてたんだよな。
お互いが泣き止むまで、ずっと一緒にいた。
あのまま泣き続けていれば、君と離れることはなかったのだろうか。
いつまでも傍にいてくれたのだろうか。
あの優しい温もりをいつまでも感じていれたのだろうか。

「何考えてんだよ…。」

いつもと違う夜に少し戸惑いながら、そのまま布団の中で
新しい朝を迎えようと目を閉じた。
微かな変化に、期待を膨らませながら…
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