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君と共に

第13章 これまでとこれからと…


帰宅途中、色々な思いが頭を中をめぐる。
鈴木があのあと、どう思ったのか。
楓が鈴木に対して、どう考えてるのか。
その逆は?
しかし、実を言うと一番引っ掛かってることがある。
楓はなんであの時、"ずっと"って言ったのか。
疑問が更に疑問を呼び、ループを形成してる。
ただ帰るだけなのに、やたらと時間がかかる。
「ふぅ…。」
ふいにこぼれたため息。
最近、こんなにため息を漏らすこともなく過ごしていたはずなのに。
鈴木が来てから、多くなった気がする。
一人とぼとぼと歩き、ようやく家の前に着いた。

ベッドに転がり、目を閉じる。
これまでの生活とこれからの人生について、少し考察をしてみる。
今まで他人を避けてきた理由は離れる辛さを味わいたくないから。
その辛さを味わうくらいなら、最初から独りでいる方がずっと楽だと考えていた。
でも、鈴木に会ってからそれもまた辛い事だと分かってしまった。
そして、会いたかった人との再会が、恋人となり…
恋人は後60時間足らずで、その命を終えると言った。
これじゃあ、またあの辛さを…独りになる辛さを…覚えてしまう気がする。
今までの時を、また繰り返してしまう。
目を開け、携帯を取った。
それは約束の電話ともうひとつ、確かめたいことがあったから。
「ごめん、楓。」
謝罪した理由は、多分俺だけにしか分からないであろうが…。
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