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君と共に

第13章 これまでとこれからと…


帰宅後、駆け足で部屋に向かい意気揚々とタンスを開けた。
普段、服を選ぶのも手間だが、今日に限っては何を着ようかと頭を使うくらいに、楽しい。
一応、比較的お気に入りのシャツとパンツを手に取りベッドの上に並べる。
この辺も女子力が高そうなポイントかもしれないが、ちゃんと彼氏になったのだから、イーブンであろう。
着替えの最中に、制服のポケットから見えた点滅光が気になる。
メールは、鈴木からだった。
「かずくんのばか。明日はちゃんと来るよね?」
怒りなのか、寂しさなのか、それともまた別のなにかなのか。
メールは感情が伝わりにくい上に、勘違い出来てしまう厄介なものだなと、軽く思う。
あえて返信せずに、身支度を整える。
「よし、これで大丈夫。」
いつもの時間よりも短く感じたにも関わらず、時計の針は予想より10分も進んでいた。
ここもまた、駆け足で玄関を飛び出た。
何も迷うことなく、好きだった道へと踏み出した。
浮き浮きとした様子は、顔と腕振りとステップから伝わるであろうが、周りなどあまり見えないから致し方ないだろう。

道程の8割ほどの場所で、人影が見えた。
それは、明らかに先ほどまで一緒に時を過ごしていた楓であり、恋人。
ここいちばんの駆け足に自然となり、思わずつまずきそうになってしまった。
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