第10章 番外編 鈴木と片倉
またいつか会える日が来る。
そう願い続けて、8年後。
やっと見つけた、想ってる人。
かずくんは覚えてないよね、名字も変わっちゃったし。
それでもこの想いは変わらないよ?
だって、あなたのことが好きだから。
「楓、あなたなんかには渡さない。あなたはかずくんの想いを裏切った。かずくんは楓が好き。その想いを知っててかずくんの前から消えた。傷つけたあなたはかずくんの隣にいる資格なんてないんだから。」
止まらない想いは暴走していく。
そんな台詞、あった気がする。
今ならわかる、この意味が…
でも告白なんてできそうにもない。
断られたら立ち直る勇気なんてまずない。
もっと確実にこっちに向いてから…
でも、その間に楓に動かれたらどうする?
かずくんはそっちにいっちゃうの?
私なんかには目もくれず?
そんなの耐えられるわけない。
それならばいっそ、2人だけの…
2人だけの世界に永遠にいればいい!
私とかずくん、2人だけの世界を作れば幸せになれる?
誰にも邪魔されない素晴らしい世界を築き上げる?
それで幸せになれるのなら…
「私は容赦しないことになるよ、楓。」