第9章 過去、それと今
衝撃の事実を知って5分。落ち着いた。
「仲良さそうだよねー。昔と変わらず。」
「……え?」
衝撃の事実第2騨。
「なんで知ってるの?って顔してるねー。」ニヤー
そりゃ、するだろ…。
「楓はね、昔から体が弱くて病院で過ごすことが多くて友達なんてほんとにいなかったんだ。でもね、唯一幼い頃からの友達がいたんだ。それがかずくんのことだよ?色んな話、聞かせてもらったからねー。」ニヤー
確かに、いつも1人だったな…。そういうことだったのか。
「友達ができたって言い出した頃ぐらいからかな。笑顔がすごく増えて早く元気になる!なんて言ってたよ。それくらい、かずくんは楓にとって大きい存在なんだよ。」
混乱はなくなり、喜びが大きくなった。
なんだかいい事した後みたいな気分だ。
「まぁ、とりあえずそれだけ話しとくね?忘れた教科書、取りに行ってくるね?」
少し駆け足気味に鈴木は出て行った。
1人残された教室。
何故だろ、慣れてるはずなのに…。
胸がざわつくというか、違和感を感じる。
いつもこんな状況だったはずなのに。
鈴木、お前が俺を少しずつ変えていく。
1人でいるのは確かに楽でだれも傷つけない。
今は誰かにいてくれるほうが楽なのかもしれない。
そう気付かせたのは、お前のせいだ。
だから、こうこぼすのだ…。
「お前がいるから、迷ってしまう。」
と…。