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君と共に

第8章 予想と予感


月曜日の午前は何故かクラス中がざわざわしていた。
あえて知らんぷりして窓を見ていると、戸田から一言。
「一樹、鈴木と付き合ってるって言うのはほんとか?」
え、何言ってるんだ?付き合ってる?鈴木と?
「は、はぁ…、そんなことあるわけないよ。なんで鈴木と付き合わないといけないんだ。」
「じゃあ、これはどう説明するんだよ。」
目の前に出されたスマホに映っていたのは、紛れもなく俺と鈴木の写真であった。しかもデパートで買い物してるときの。
「土曜日の夕方、君はどこで何をしていたんだ?」
まるで刑事が犯人を追い詰めるような口調で戸田が発言した。
「街を案内してくれと言われたから付いてまわっただけだ。デートでもないよ。」
「なら、本人に聞いてみるか。な、鈴木?」
人だかりができてる隣の席では、みんなが驚いた顔をしている。
時々、俺の方を見ては目線合わせない女の子。
逆に俺の方をにらみつけるような目つきで見てくる男の子。
怖いなぁ…。

ざわめきが収まったのは授業が始まる5分前だった。
「鈴木、あの人だかりはなんだったんだ?」
「えー、それはー、そのー…うーん…」モジモジ
なーんかやな予感。一応聞きましょう。
「バレちゃった、土曜日のこと。」テヘ
やっぱりですか。
クラスの女の子が彼氏とデート中に見かけたらしい。
「あ、後…、その流れと言いますか、そのー…」

「付き合ってる、って言っちゃった☆」キャー

予想もしない言葉にクラスで一番ざわめいたのが、俺だったことは言うまでもない。
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