第7章 悲しみから始まること
この町の南の方には大きなデパートがある。
そこで多少なら時間をつぶせる…。そう考えたのが今の状況を生み出してしまった。
「ほら、次ここ行くよー?」ニコニコ
「え、まだ店回るのかよ…。」
気付けばもう4時前。かれこれ一時間半は歩き回っている。
それも休むことなく。倒れたら慰謝料払ってもらおう。
「長いってばー。俺もう歩けないって…。」
「えー、まだ大丈夫だよー?時間は…もうこんな時間なの!?」アリャマァ
時計の長針と短針がほぼ真ん中に一直線になっていた。
「ごめん、こんなに歩いてたと思わなくて。」テヘペロ
「荷物多すぎだってー…。罰ゲームかなんかか?」
両手にパンパンに入った紙袋2つをもって歩き回った。誉めろ。
「ありがと!助かりましたよっと……って重!」ドサ
「だろ?だから疲れたって…。」
「かずくん、案外力持ちなんだね!」ナデナデ
「それ、やめろって!ほんとにするな!」
頭の上でスライド運動する手をどける。
「誉めてるのになー?」ニコニコ
「別に誉めなくてもいいから!」
「はいはい、わかりましたよー。」ムスッ
なんでちょっと不機嫌なのだ。ほんとわかんねぇ…。
「今日はもう帰ろう。こんな荷物持ったままじゃろくに動けないからな。」
「え、まだ、デパートだけ…」
「いいから、帰るぞ。2つ荷物持ってあげるから。」
「あ、あり、がと…。」
そして、帰宅。腕がパンパンで上がらない。
「あー、疲れた。もう寝よう。」
爆睡しました。