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君と共に

第7章 悲しみから始まること


簾柳が風でゆらゆらと揺れる。
そよ風が吹くだけで、大きく揺れる。
その柳の枝に、笑顔になった俺も揺れる。
俺が揺れる横で揺れているのはもちろんーー
バッ、「はぁはぁ…夢か…。」
緑から暗い部屋に視界が変わった。無理やり変えた。
蒼い空を見たせいで、眠れない。夢が睡眠を遮断する。
「見なきゃよかった…。」
幸いにも、今日は土曜日。遅刻する心配もない。
とりあえず、寝れるか分からないがもう一度寝転がり布団に挟まれた。

「ーーくん、遊ぼ?」
「ーーちゃん、ありがとう。」
「ーーくん、私、ーーにーーちゃうの。」
「え…?、ーーちゃん、やだよ。ーーでよ…。」
「ごめんね、ごめんね、ごめんー、ごめーー、ごーーー…」

バッ、「はぁはぁ…。」
また起きてしまった。まだ……2時過ぎか。
「もう寝れないや、勉強しよ。」
学習机のスタンドに明かりをともし、月夜と共に時を過ごす。
当然、集中なんかできるはずもない。また眠気に襲われる。
こんな夜は大抵を、独りで過ごす。誰にも触れさせない。
そう考えてから5秒後。突然のメール音。思わず体が震えた。
「こんな時間にメールかよ…。」
未読のままのメール。朝見ればそれでいい。
そのメールが大事な要件だと気づくのは今から、7時間後のことであった。
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