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君と共に

第6章 蒼い空を


「ありがとう、助かった!」ペコリ 「どういたしまして。」
化学のノートを受け取る。鞄に直す。
「現代文?」ドレドレ  「そうだよ、漢字がちょっと苦手だからな。」
といっても、平均以上にはできるがな。松本に言えば、殴られそうだが。
「まだやるのー?」ムゥ 「もう少しだけ、やるつもり。」
前の席に、鈴木が座る。背もたれに両手を乗せ枕代わりにしている。
この調子だと、一緒に帰ることになるなー。まぁ、いいか。
カリカリカリ、カリカリカリ、ケシケシ、カリカリカリ…。
「その漢字、横棒一本足りてない。」ココ
「え、あ、ほんとだ。よく気づいたな。」
「だって、漢検持ってるもん!」ドヤ
少し自慢された気がするのは、恐らく気のせいだな。
「……ふー、終わったー。帰ろっと。」 
「長いよー、待ちくたびれたよー…。」グデーン
「別に待ってくれと、頼んだ覚えはない。」
「つめたーいなー。これでもくらえ!」デコピンクラッシュ!!!
バチン!クリーンヒット!そして、激痛!
「いってー!何すんだよ!」
「冷たいから、いけないんだよー。」ベー
まじかよ…。本当に痛い。赤くなってるよな…。
「……ちょっと、やりすぎた…?」サスサス
「普通に痛い。そして、撫でるな。」
「ごめんね?」 「まぁ、いいよ。帰るんだろ?」
「うん、帰ろ!」ニコニコ
もう誰もいない教室を後にして、夕暮れに染められた道を歩く。隣にはまたあいつがいる。邪魔者ではなく、友達として。
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