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君と共に

第5章 隣の邪魔者


午後の化学、古典を余裕で終え、帰る準備をしていたときのことだった。
「かーずーくん、一緒にかーえろ?」ニコ
「戸田ー、松本ー、帰ろうー。」
「わりぃ、今日委員会なんだよ。」
「俺も先生に呼び出しくらってさー。多分、また成績のことだろうけど。」
「そうか…。じゃあ帰るよ。」
「じゃあ、私と一緒に!」キラキラ
「断る。独りで帰るから。」
「えー!あ、照れてるんだー!かずくんかわいいー!」ツンツン
めんどくさいなぁ…。ここは一緒に帰ったほうが楽かもな。
「分かったよ。一緒に帰るよ。」
「え、あ、う、うん!帰ろ!」ニコニコ

二人で歩く帰り道。
いつもと違う帰り道を使ったのは言うまでもない。
珍しく人と歩くことになぜだか緊張を覚え、少し下を向きながら一歩ずつ進んでいく。
いつもならうざいほど絡んでくる隣がずっと黙ったままでいるのが不気味だ。
まぁ、このまま何もなく帰れればそれでいい。
無駄に話すこともない。
関係を親密にする必要もない。
そんな事を思いながら、10分ほど歩いたとき…
「片倉君、なんで人と話したりしないの?」
静寂を切り裂くその一言に、驚きと戸惑いが顔に出てしまった。
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