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すうら、すうすう。

第2章 一緒に走ってたっけよ? ~ハイキュー!!白鳥沢


廊下の窓に映った四つの人影が駆ける。

「どォしちゃったんだ、五色!お前そんなヤツじゃなかったろ!?態度デカくて生意気でも人間だと思ってたのに、俺を騙してたのか!?」

「なッ、白布さん!?俺は人間ですよ!?何言って・・・・ッ」

「だってお前映ってねえじゃん!映ってね・・・うわわッ、あぶ、あっぶね!!!触んなコラァァ!俺まで映んなくなったらどうすんだよ、バカッ!!!!」

「バ、バカァ!?何でバカ!?」

「あはは、何か楽しくなって来たねえ?これってアレ?リアル鬼ごっこ?」

走りながらヘラッと言った天童に、牛島がぐるんと顔を向けた。

「そうか、楽しいか、天童」

「楽しくない?皆で鬼ごっこなんて、そうそうないモンね」

「成る程な。ならもっと楽しめ」

牛島の足が天童の足を引っ掛けた。

「ち・・・ッ、わッ、とと・・・ッ!」

「ぅうわいッ」

バランスを崩して片手を床に着いた天童を、白布と大平が飛び越えて行く。

「・・・天童さん」

五色がベソをかいているようにも見える怒り顔で立ち止まった。

膝を払って向き合った天童に手を伸ばす。
天童は首を傾げて逃げもせず、何故か五色から少しズレた場所を見ながら首の後ろに手をあてた。

「・・・んー、どんなモンだろ、五色?ぶっちゃけ・・・・」

コンコン

「ふお?」

ガラスを叩く固い音に、天童がヒョッと窓を見た。

先を走っていた三人も、手を伸ばしたまんまの五色も同じように窓を見る。

「あれま・・・」

瀬見と山形の苦笑いと仏頂面が窓の外にあった。
先に帰ったかと思ったが、まだ残っていたらしい。

山形が親指を立てて生徒玄関の方を示す。早く帰るぞ、何ふざけてんだお前らは、と言いたいようだ。
瀬見が、苦笑いしながら五色を見、そして天童と五色の間、誰もいない空間を見て、挨拶するような仕草を見せる。

「・・・・・?」

五色はキョトンとして、問うように天童を見た。

何やってんですか、瀬見さんは?

天童は五色と瀬見を見比べて、ヘラッと笑った。

「帰ろっか」

「え?わッ!」

不意に肩へ手をかけられて、驚いた五色はピョンと前髪を跳ね上げる。

牛島がいつの間にか五色の後ろにいた。

「帰るぞ。忘れ物は明日にしろ」

「え?え?」






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