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すうら、すうすう。

第2章 一緒に走ってたっけよ? ~ハイキュー!!白鳥沢


手と首を振って、天童がにっこりする。

「やっぱさァ、女ン子から貰ったモンとりに行くのについてくなんて、デリカシーなくない?ゴメンねェ、五色クン、悪かったよ?」

五色はジリジリと皆との距離を縮めながら、口元をヒクヒクさせた。

「見えてんスね?皆にも見えてんデスね!?」

「んや~、見えてるっちゃ見えてるけどサ?五色の場合、見えてんじゃなくて見えてない、じゃない?」

天童は窓に映る五色のいる筈の空間に、首を傾げて不思議そうな表情を浮かべた。皆をひと渡り見回してまたそこに目を戻し、ふぅんと鼻を鳴らして頭を掻く。

そんな天童にお構いなしで、牛島が真顔で全くデリカシーのない質問を繰り返した。

「・・・五色、くどいようだがお前、今日車にぶつかったり悪いものを食ったり人から恨みを買ったりしていないか?死んだ覚えは・・・」

「ある訳あるかあァァァ、そんなもんンンン!!!!」

「なかったら何でそんなんなってんだあッ、お前はあァァ!!!おっかねえェェ!!!」

窓を凝視していた白布が堰を切ったように大声をあげる。

「落ち着け白布!!!窓に映らなくたって五色は五色だッ!明日には元に戻ってる筈だ!大丈夫!取り合えず今日は解散しよう!じゃあなッ、五色!」

ビシッと手を振って大平が後ずさる。

「大平さんンン!!??」

「あやわわわッ、待て待て待て、こっちに来ちゃいかん!今近寄られたら、ぶっちゃけ俺、お前に何するかわかんないぞ!!!ステイだッ、五色そこでステイッ!!!」

「ス、ステイ!!??ざけんなッ、俺は犬じゃねえぞッ!!!」

「あり、若利くんどこ行くの?」

フッと動いた牛島に、まだ窓を眺めていた天童が目を向けた。

「・・・いや・・・」

「逃げんの?」

「逃げるのではない。走るのだ」

「ふぅん・・・。じゃ、俺も走っちゃおうかな?」

「あッ!!」

牛島と天童が走り出した。それを見た大平と白布もすかさず後を追う。

全員流石のスタートダッシュである。速い。

「何で逃げんの!?ちょっと待ってよ!!!」

五色が反射的に後を追った。この状況で独りきりになるなんて考えられない。

「五色ィ!!!玄関はあっちだ、お前うち帰れッ!!帰れば治る!治るからッ!ハウスッ!」

「無責任な事言うなあァ!!ハウスって何だあァ!!」

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