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すうら、すうすう。

第3章 絵から吹く風ーハリー・ポッター、ルーナ


右に陣取ったフレッドが続ける。

ルーピン先生は三人を見比べてちょっと真面目な顔になった。

「お茶が冷める。座りなさい」

双子が目配せし会う気配があって、左右の椅子が同時に引かれた。

「先ずはお茶を呑んで。良ければチョコもどうかな?気分が落ち着く」

ポケットから蛙チョコレートを引っ張り出して、ルーピン先生は三人の向かいの椅子に腰掛けた。

パキパキとチョコを割りながら、先生はどうしてこういう事になったのか訊ねた。

先ずはルーナがパパからカケジクを貰ってロンとネビルにそれを見せた事を話す。甘いチョコと紅茶をちょっとずつ口にしながら。

続きはフレッドとジョージも加わって、ハーマイオニーにカケジクの事を相談して揉めた話をした。

ひと欠片ずつ配られたチョコはとっくにお腹の中、少し温くなった紅茶を啜りながら、話はカケジクから吹いた風の下りに差し掛かった。

穏やかに興味深く話に聞き入っていたルーピン先生の左の眉がクッと上がった。

不思議な匂いの風が吹いた事、その匂いは山のもののように思えた事、そして翌日、廊下を歩いていてスネイプ先生たちとすれ違い、山の香りに混じった甘い匂いがウメの香りバイカだと知れた事。

「彼女の事は私も知っている」

ルーピン先生が懐かしげに可笑しげに微笑みながらフレッドとジョージを見た。

「怒らせると怖いぞ?ヤマトナデシコは甘くない。気を付けないと・・・・いや、その顔を見ると手遅れらしいな。おやおや」

二杯目のお茶を淹れたポットをティーコゼー代わりの膝掛けで囲ってから、ルーピン先生はおもむろにテーブルの側面をゴンと叩いた。

「わ・・・」

そうとは全然見えないところから引き出しがピョンと飛び出して、カケジクが現れる。

「さっきも言ったように、今期の私の仕事は闇の魔術に対する防衛術の教師だ。ちょっと工夫が必要な事もある。例えば知りたがりの悪戯好きがいるようなところで曰くのあるものを扱うような時とか」

フレッドとジョージが凄く物欲しそうな顔でテーブルを見た。
わかるよ。どっからみても粗末で薄っぺらいテーブルにしか見えないんだもん。何か隠しておきたいときには凄く助かりそう。もしかしてこのテーブルがあったら・・・隠したいものの長ーいリストが双子の頭の中でひらひらしてるのが目に見えるみたい。


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