第3章 絵から吹く風ーハリー・ポッター、ルーナ
あーあ・・・やっぱりあの人に聞けば良かったなあ・・・フレッドとジョージには悪いけど、あの二人が嫌われてたってアタシには関係ないんだもん。
・・・・・ハーマイオニー、あのコ大事にしてるかなあ・・・・
答えは三日めの夜出た。
最悪の結果だった。
「今日のキドニーパイは最悪だったな。干し葡萄入り過ぎ。絶対屋敷しもべが干し葡萄買いすぎたんだよ。悪くならないように早く使っちゃおうってさ、あれじゃキドニーパイだか干し葡萄パイだかわからないよ。なあ、ハリー」
「・・・うん?・・・あー、どうかな?干し葡萄って、そんな簡単に悪くならないんじゃないかな」
「兎に角さ、折角のキドニーパイが台無し。あれならママのコンビーフサンド食べてた方がまだマシだ。なあ、ハリー」
「・・・・ロン・・・」
「ルーナもそう思うだろ?干し葡萄が入り過ぎたキドニーパイなんか、刻んでないオレンジの皮がぶちこまれたマーマレードみたいなもんだよな?」
「・・ アタシは腎臓料理は嫌いなの。だからどんなキドニーパイが出たって全然構わない。どっちみち食べないんだから。・・・・何誤魔化してんの、ロン?ハーマイオニーは何処よ?」
夕食後の談話室、ルーナに睨まれた二人は顔を見合わせた。
少し離れたところで蛙のトレバーを遊ばせていたネビルが心配そうにこっちを見ている。
ルーナは両手を体の脇で怒らせて、目尻を上げた。
「誤魔化すのは止めて。どうしたの?ちゃんと言ってよ!」
気まずそうな二人の顔を見て、背中がそそける。
「・・・・何で?ハーマイオニーはわかった事があったら教えるって言ったよ?ロン?」
ルーナはキッとロンを見据えた。ロンは狼狽えた。狼狽えたままハリーに視線を振り分ける。
バカ!アンタのそういうとこ、大っ嫌い!!
「おい、ハーマイオニーは何処だ!?」
鼻がギュッと痛くなって危うく視界がぼやけかけたとき、両肩を後ろから捕まれた。
ビックリして振り向くと、フレッドとジョージだった。
「いないのか?じゃアイツ、ホントにルーピンのとこに行ったんだな?あそこでハーマイオニーを見たって五年生が・・・」
「・・・・ルーピン先生って、闇の魔術に対抗する防衛術の・・・・」