第3章 絵から吹く風ーハリー・ポッター、ルーナ
「魔法薬学のレポートがあるけど、その後なら」
ロンが渋い顔をしてるのが見えたけれど、ルーナは構わずにっこりした。
「わかった。じゃあ談話室で待ってるね。ありがとう、ハーマイオニー」
「・・・ルーナ」
ネビルが心配そうに声をかけて来る。ルーナは肩をすくめてネビルと、ちょっと呆れてちょっと感心してるみたいなフレッドとジョージを見比べた。
「アタシも知りたいもん。あのコの事。パパもあんまり詳しい話してくれなかったし、ハーマイオニーが教えてくれるんなら大歓迎だよ」
「話が早くていいな。気に入ったよ、ルーナ」
「何ならロニー坊やとトレードしたいくらいだ。ウィーズリーにならないか、ルーナ」
「それって凄く楽しそうだけど、お断り。アタシはラブグットが気に入ってるんだ」
ルーナはケロッとして笑うと、ネビルに優しい目を向けた。
「心配してくれてありがと、ネビル。アンタも来るよね、談話室?」
「・・・・うん。行くよ」
「じゃ夜にね」
手を振ると、三人揃って振り返してくれた。何だか可笑しくなってクスクス笑いながら歩き出したら、意外な事に心配そうなロンと目が合った。
・・・・止めといたら?
口が小さく動くのが見えた。
止めないよ。
首を振って答えると、溜め息を吐いて肩をすくめた。
あれ?何かホントに心配してる?
アタシはハーマイオニーを甘く見てた。彼女、筋金入りの優等生なんだ。納得しないと駄目って思った事を許さない。
アタシはカケジクを失う事になる。
でも後悔はしてないよ。あれは、あのコは、ひとりの人がお守りに持つようなものじゃないって何となくわかったから。
このときはそんなの、思いもしなかったけど・・・・・