第10章 オバケなんてねえよ。居たら困んだよ。ー銀魂、真選組ー
「朝っぱらから下らねえ事抜かしてんじゃねえぞ!?ンなもなァいねぇんだよ!いねぇったらいねぇんだ!いるワケねぇだろ!?いたら困ンだよ!どんだけ困っちゃうと思うってテメエ、ホントにガッツリみっちりドッサリ困っちゃうだろ!?宜保愛子は死んじゃったし寺生まれのTさんは消息不明なんだよ!馬鹿言ってねぇで糞して寝直せ!ユーレイとかナシ!ナシったらナシだ!」
「いやぁ、トシ。マジだって。それで山崎ン奴ァすっかり参っちまったらしくてよ」
「変態コレステロールに相談してみやがれって話ンなったんでさ。何せアンタァ鬼の副長でしょう。テメエが化けモンですからねぃ」
「俺は変態でもコレステロールでも化けモンでもねえしユーレイなんざ金輪際ねぇんだよ!いいか!?ユーレイは、いないの!いない!ほら、諺にもあんだろ!?オバケなんてないさ!オバケなんてウッソさ!」
「あー、わかるぞ、トシ。だけどちょっとだけどちょっとだけどちょっとコワイんだろ?でもコレ、諺じゃねぇぞトシ。格言だろ。バカだなー。はははははは」
「ははははははは。近藤さん、あらァ格言じゃありやせんぜ?俗語でさァ。ははは…ぁぶ…ッ」
「どこの国のどんな俗語だこのバカがあァァァ!!!!せなえいこに謝れえェェェ!!!メガネうさぎに土下座しろおォォォ!!!!!メガネの天ぷら食らって死ねえェェェェ!!!!!!」
「止めろ、トシ、暴力はいかん!それにオバケがうそなのはせな先生じゃねえぞ?せな先生にかかっちゃオバケの国に連れてかれちゃぅ…、うブァ…ッ!!!」
「朝っからバケバケ言ってんじゃねえぞゴラッ!!!…ッ」
近藤と沖田を殴り付けて青筋を立てた土方が目を見開いてヒュッと息を呑んだ。
誰かの手が肩に掛かった。
「…デるんです、副長…」
山崎だ。振り向いた土方を青い顔でじっと見返す目が虚ろだ。
その顔が怖い。
プツンと音を立てて土方が切れた。
「い、い、加減にしろおォォォ!!!!」
オバケなんてないのだ。オバケなんていないのだ。
…何でってそんなモノが居たら……
そりゃ怖えだろおォォォオ!!??