第2章 1_突然の出逢い
必死な表情と声を聞いたシャルナークは暫く真剣な顔で考え、笑って答える。
「――解ったよ。‥誰にも言わない、二人だけの秘密ね」
其れを聞いたリトは安堵し小さく息を吐く。
「‥有り難う。‥もう一つ、良いですか?」
「何?」
リトは一番聞きたかった事を、本来の目的を口に出した。
「―――貴方達、幻影旅団の‥、目的は何ですか‥?」
リトは緊張しながら旅団の一人で有るシャルナークに質問をした。
其れに対して質問されたシャルナークは暫し黙って、ゆっくりと口を動かした。
「‥‥さあ?解らないや」
「‥‥、」
「‥そんなはっきりとした目的なんてないしね。強いていうなら、団長が獲物を見付けたら、行動開始‥かな?」
腕を組みながら話すシャルナークを茫然と見る。
「そう、ですか‥。――じゃあ、次は貴方の番です。‥答えられる限りなら答えます」
「其れじゃいくつか質問するね。――先ず教えてくれるかな?名前」
リトは一瞬躊躇したが答える。
「‥、リターン、いや‥、リト」
「‥リトだね、宜しく!俺の事シャルで良いよ」
「ん、次の質問は?」
「俺達の事、何処まで知ってるの?」
「‥知らない、解らない」
リトは首を左右に振る。
「‥そう。もう一つ良い?さっきの侵入者と戦った時、ピアスの色が変わって其れに光った様な気がするんだけど、何かの能力?」
聞き終わった瞬間リトの身体がビクッと動く。
「其れ、は‥」
「‥リト?大丈夫?」
「‥‥‥ぁ」
リトは何かに操られた様に眼を閉じ、止まる。
「‥‥リト?」
シャルはそっとリトの肩を掴もうと手を伸ばす。
――が、其れはリトの手によって阻止される。
「‥触らないで下さい。」
「‥え」
閉じていた瞼を開ける。
その眼は漆黒の闇の様に暗かった。其れも片方の眼だけ。
「リト、だよね?」
「違います。自分はリターンデス。」
「、(リターンって確かさっきリトが呟いてた奴だよな)」
「貴方は、この子に何かしましたか?」
「え‥?この子って‥リトの事?」
「そうデス。早く答えて下さい。」
「えっと、色々説明が欲しいんだけど‥、」
「其れは無理デス。」