第2章 1_突然の出逢い
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有る程度離れた処でシャルナークは立ち止まり、振り返る。
「其れで、俺に聞きたい事って何?」
俯いてるリトに問う。
「‥聞きたいと言うか‥、あの人に調べられたくないから‥」
「あの人?」
「‥女の人。ショートの。あのまま僕が答えなかったら、あの人に調べさせるつもりだったんでしょ?」
「‥!驚いた‥。‥本当、何処まで知ってるの?其れにどうして俺に?」
「‥‥あの中で、貴方になら話しても、問題ないと‥勝手に思ったからです」
リトはシャルナークの眼を見る。
「‥解った。聞いてるから、話して」
リトは頷き話を始める。
「ぇっと、僕‥。私は女です」
「えっ?!」
シャルナークはリトの発言に驚く。
「‥男だと思いましたか?」
「‥そっか。女の子だったんだ‥(あの時ヒソカが確認しなくて良かった‥)」
シャルナークは頭から脚の先まで観察する。
服装は少し大きめのパーカーに下は膝丈のズボン。
そして先程は気付かなかったが左腕には蒼い腕輪をはめて居た。
パッとみると男に見える。
「(‥そう言えば普通に見ると男だよね。細いけど。なら何でヒソカはあんな事言ったんだろう?)」
そんなシャルナークから眼を逸らし話を続ける。
「こんな格好をしてたら性別は解りませんよね。‥でも、其れが目的だから」
「え?」
「‥此方の方が色々と動きやすいので。‥相手を油断させる場合は元に戻りますけど」
そう説明すると被っていた帽子(フード)を外す。
すると帽子の中に隠れていた長い髪がサラリと姿を現した。
其れを見たシャルナークは声を出す事が出来ず、代わりに眼を見開いた。
「―――っ!」
「‥‥あの?」
眼の前で固まっているシャルナークに疑問を持ち、首を傾げる。
「あっ、え?あ、嗚呼!少し驚いただけだよ!!続けて!」
疑問を感じつつ話を続けた。
「だから先ず、頼みが有ります。‥私が女だと言わないで下さい。あくまで男って事にして欲しいです」
「‥え、何で?ヒソカは兎も角、他の皆は変な眼で見ないと思うよ?(多分)」
シャルナークの言葉にリトは視線を地面に移す。
「‥其れは‥、今は、言いたくない」
リトの表情は悲しそうだった。
「‥だけど、必ず‥言います。‥言える様になります‥!」
「‥‥‥」