• テキストサイズ

mystery×girl【H×H】

第3章 2_ハンター試験



喋りながら此方へゆっくりと歩いて来る人間の顔を見る為にリトもゆっくりと後ろを振り向く。

「急に気を失ったかと思えば居なくなるし‥焦ったんだよ?」
「‥‥もう一人の方は?」
「あり。やっぱり気付いてた?結構‘絶’は得意だと思うんだけどなあ」
「‥答えになってません」
「フェイタンならこの試験に必要な材料を取りに行ってるよ」
「‥‥そうですか。‥知ってるんですね。‥やっぱり私は知らない事が多過ぎる」

後半の声はとても小さく、シャルナークに聞こえる事は無かった。


「ねえ。そっちの質問に答えたんだから俺からも良いよね?‥何でこの試験を受けようって思ったの?目的は?」

リトは俯いていた頭を上げて、シャルナークを見ると小さく口を開ける。

「‥ハンター試験を受ける理由なんて、一つしかないと思いますが‥?」
「‥‥。其れがそうとも限らないんだよ。ほら、ヒソカとかは特にね。彼奴はどうせ強い奴を探しに来ただけだと思うし」
「‥‥‥」

黙って聞いていたリトだが、次の台詞に少し驚く。

「――其れに君、ハンター試験の存在自体知らなかっただろ?」
「‥‥!」
「無言って事はやっぱり知らないんだね」
「‥‥何故、そう思ったのですか?」

やっと返ってきた声にシャルナークは笑顔で説明する。

「簡単だよ。‥君の実力はもうこの眼で見てたし、もしもハンター試験の事を知っていて、ライセンスも欲しかったならとっくに受けてる筈なんだよ。――君なら一発で合格だろうしね」
「‥単純に受けなかった場合も有るのではないですか?」
「なら何で急に参加したの?」
「‥‥ピエロさんと同じですよ」

そう言うとシャルナークに背を向けて会場へ向かう。

「スシの情報、あげようと思ったんだけどなあ」

その後ろ姿を見て、フェイタンの居る場所に脚を進めた。

***

「‥‥えっと、」

リトはスシの材料も持たずに会場へ戻って来たのだが、現状把握が出来て居なかった。

「(‥材料が無いから、どうしようかと思って居たのですけど、此れは‥?)」

その目線の先には必死に謎のお爺さんに何やら弁解をしている試験官のメンチと、その様子をまじまじと見ている受験生が居た。
/ 29ページ  
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:なごんだエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白い
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp