第2章 1_突然の出逢い
ヒソカに声を掛けられ、誰かに抱えられていると理解したリトは、段々と意識がはっきりして、完全に眼を覚ます。
そして自分を抱えているのが変な人間だと知った。
「なっ―――!」
途端に鳥肌が立ち、直ぐに離れようと身体を捩る。
「何で眼が覚める度にヒソカが居るの‥??どうせなら爽やかなお兄さんが良かったです‥!」
半分叫びながら言うとヒソカはわざとらしく笑う。
「傷付くなあ‥◆ボクは嬉しいケド」
「‥僕は全然嬉しくない。‥処で此処に居る凄い力を感じる12人が、旅団の人?」
リトの発言に驚くメンバー。
‥リトは周りを見渡しても‘円’を使った訳でもない。
直感で当てたのだ。
「ボクを入れないのはわざと‥?」
「ぁ。いや、何か数えたくなかったです」
「ヒドイなあ‥◆」
そんなヒソカを無視し、周りを見渡し一人一人確認していく。
そして一人の男に眼を止める。
「‥‥‥」
無言で見つめていると、その人物に声を掛けられる。
「‥ヒソカの知り合いか?」
その男、クロロが問う。
「え、違います。こんな変な人、知り合いに居ませんし、視界に入れたくないですよ」
リトの答えに他のメンバーが笑いを耐える。
「そうか。其れでシャルの事を知っていると聞いたが、ハンターではないんだろう?」
クロロは確認する様にじっくりとリトの事を観察しながら聞いた。
「‥はい。ハンターでは有りません。‥と言うかそんなの知りません」
話してる合間にリトはチラリとシャルナークの方を見る。
それに気付いたシャルナークは首を傾げながら聞く。
「どうしたの?俺に何かついてる?」
「‥ぁ。 ‥貴方に尋ねたい事が、有って」
「俺に答えられる範囲なら、良いよ」
「‥‥ぁの、出来れば誰も居ない場所で‥」
シャルナークはクロロの事を見る。
そしてクロロが頷くのを見て再びリトを視界に入れる。
「うん、良いよ」
シャルナークとリトは別の場所へ移動する為、広場から出る。
その際ヒソカはすれ違う時にリトの横顔を見ていた。
二人が居なくなったのを確認したクロロは、視線をヒソカに移し、質問する。
「ヒソカ、お前は何処まで知っている?」
其れにヒソカは苦笑し、答えた。
「其れが全然解らないんだよねえ‥◆」