第2章 1_突然の出逢い
腕にはアンテナが刺さって居た。
「‥ごめんね」
アンテナを刺し、操った本人、シャルナークは気を失ったリトを見て謝罪した。
「ん~、やっぱりこの子、強いネ◆」
ヒソカが嬉しそうに眺めている中、シャルナークは携帯を操作して居た。
そして作業が終わると頭を上げ、ヒソカを見る。
「取り合えずその子を皆にも逢わせる話になったから、移動しよう」
「え~?もう皆に言っちゃったのかい?」
「当然だろう?‥さ、早くその子を運んで!」
渋々シャルナークの言う通りにヒソカはリトを抱える。
「‥ん?」
持ち上げたヒソカは眉間に皺を寄せる。
それに気付いたシャルナークは問い掛ける。
「どうしたの?」
「‥この子、凄く軽い‥◆」
「そんなに?」
「‥そう言えばこの子、男?女?」
「‥‥‥おい、まさか」
「‥確認してみようかナ?」
ヒソカは笑みを浮かべながらリトの着ている衣服に手をかける。
其れを見たシャルナークは慌てて止める。
「止めときなよ!‥そんなの後で本人に聞けば良いじゃないか!!」
「だけど素直に言うとは思わないけど?名前すら教えてくれなかったし‥◆」
「其れはヒソカが変態だからだろ‥?」
***
建物の中で一番広い場所に団員、そして団長でも有るクロロ、そして謎の人間を見付けたシャルナークとヒソカ、最後に意識がないリトが集結した。
「――で、その人間が例の除念師か?」
先ず団長で有るクロロが広い空間に声を響かせる。
「いや、其れが解らない。何しろ本人が‘違う’‘知らない’の一点張りだったから」
答えたのはシャルナーク。
そして次々に団員達が意見を口に出す。
「アタシ達が此処に居るって知ってて来たのかい?」
→マチ
「じゃあやっぱりコイツはハンターか?」
→フィンクス
「‥情報が足らねぇなあ」
→ノブナガ
「‥ならワタシが拷問して聞くネ」
→フェイタン
「あれ、その子新しいメンバー?」
→シズク
「‥‥‥」
→パクノダ
団員が其々話をする中、ヒソカだけ別の事を考えて居た。
「(どうやって此処から連れ出そうかなあ‥◆)」
するとヒソカの腕の中で眠っていたリトの眼が開く。
「‥‥?」
まだ焦点が合わず、ユラユラと揺れている。
「ヤア、気分はどう?」