第3章 2_ハンター試験
「‥スシかあ」
「シャル、解るのか?」
リトの後に直ぐ会場から出て来たシャルナークとフェイタン。勿論その二人の姿、気配を察知した者は居ない。‥例外が二人程居るが。
シャルナークとフェイタンはリトに気付かれない様に後を着けていた。
「ん~、一応ね。‥確か酢と調味料を混ぜた飯に魚の切り身を乗せたヤツだよ。飯は一口サイズに握って、その上に山葵と魚を乗せれば完成!」
「‥‥‥」
にこやかに説明をするシャルナークとは違い、フェイタンは何でも知っているシャルに少し引いていた。
そして説明を終えたシャルは視線をリトに戻す。
「‥さて、どうやらリトはスシを知らないみたいだし、俺教えて来るよ」
「何故態々教える必要が有るね?放て置けば良いよ」
「まあまあ。もしリトがライセンスを所得したら俺の仕事も減るし、楽になる(‥ま、無くても別に良いんだけど。有った方が一緒にいれるしね)」
「何言てるね?団員になるか解らないよ。空きも無いね」
「でも其れは団長が決める事だろ?気に入ってるみたいだし」
シャルの言葉にいつも以上に皺を寄せる。
「‥あそ。ワタシには関係ないよ」
苦笑した後シャルは、一瞬真面目な表情をして口を開く。
「――てな訳でフェイタン。俺等の魚、捕獲宜しく!」
「は?ふざけてるのか?‥その首折るよ?」
殺気を隠しもせずシャルに向ける。
対して殺気を向けられたシャルは物ともしないで笑顔で答える。
「ふざけてなんか無いよ?俺達も此処を通過しないとリトを監視出来ないだろう?‥その殺気、気付かれちゃうよ?――後、団員同士のマジ切れはご法度、だよ?」
其れじゃ、と言い残しシャルはその場から消えた。
取り残されたフェイタンは舌打ちをし同じ様に姿を消した。
***
「‥‥?」
会場から結構離れた場所まで来たリトは、突然感じた殺気に反応する。
「‥‥(‥この感じ、前にも‥)」
殺気のする方向に視線を移そうとしたが、止めた。
代わりに背後に居る人間に話を掛ける。
「‥‥何かご用‥ですか?‥ピエロさん」
背後に立って居たのは、怪しい笑みを浮かべたヒソカだった。