第3章 2_ハンター試験
その質問にリトは無言でいるとクラピカが答えてくれた。
「嗚呼、少しな。ハンター試験会場に行く途中で逢ったんだ」
「へぇー!そうなんだ!!あ、でもレオリオの事はまだ知らないよね?」
ゴンはクラピカからリトに視線を変える。
「‥レオリオ?」
「さっきキルアがオッサンって言ってた人だよ!医者を目指してるんだ!!」
「‥嗚呼。あの変態さんですね」
三人で話をしているとドサッと音が聞こえ、そちらを見てみると人間らしき者の顔にトランプが数枚刺さって居た。
そして他にも本物の試験官で有るサトツにもトランプは飛んでいた。
本人は綺麗に手で防いでいた。
「(‥あのトランプ)」
「此れで決定◆そっちが本物だね◆」
他の受験者も沈黙の中で聞こえた声に反応し、冷や汗を流して恐る恐る見る。
リトも眉間に皺を寄せて大勢の人の間から覗く。
「‥‥!」
その男は何を考えているのか解らない笑みを浮かべ、手元に有るトランプで遊んで居た。
「‥ヒソカ」
ゴンやキルア達もヒソカに集中していたのでその呟きは届く事はなかった。
――ただ一人を除いては。
***
受験生312名、ヌメーレ湿原へ突入。
再び受験者は試験官で有るサトツさんを追い掛ける。
リトはゴンとキルアが走っている後ろを走っており、更にリトの後ろをクラピカとレオリオが走っていた。
「そう言えばリターンってキルアの知り合いって言ってたけど友達じゃないの?家族?」
「家族ではないけど、友達っつーか‥話せば長くなるんだよなー」
前で名前呼ばれた気がするが、後ろにいるレオリオという男に肩を軽く叩かれたので振り向く。
「よっ!キルアとクラピカの知り合いなんだってな!紹介が遅れたな、俺はレオリオっていうんだ」
「‥さっきゴンさんに聞きました。変態さ‥レオリオさんは医者を目指してるんですよね?――その格好で医者を目指すのは少しどうかと思います」
レオリオはリトの言った事を慌てて否定する。
「おい!今変態さんって言おうとしてただろ?!此れにはきちんと訳が有るんだからな!!てゆーか紹介したんだからお前の事も教えてくれよ!」
余り騒がしくしないで欲しいと思いながらリトは答える事にする。