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【WJ】短編

第13章 【甘(R18)】素直になれなくて/木葉秋紀


「来月春高代表決定戦じゃん。調子はどうですか器用貧乏さん?」
「その呼び方ヤメロ!」
「今年こそは井闥山に勝てるといいね。」
「嫌味か。今年こそはお前の大好きな佐日早ぶっ倒して梟谷が優勝すんだからな!」
「頑張ってね。」


 口ではそう言ったって、自分とこの学校が優勝して欲しいに決まってる。マネージャーなんだし、尚更だろ。心にもない事ばっか言いやがって。


「つーかベッドから降りろ。」
「えーなんで?秋紀のベッドふかふかで気持ちいいんだもん。」


 高校生になって少しは大人になったかと思ったけど、中身はまだ子供だな。コイツ相手に変な気なんかおきねーけど、危機感を持て。危機感を。


「もう遅いんだし帰れよ。オバサン心配すんぞ。」
「大丈夫だよ。」
「俺は部活で疲れてんだ飯食って風呂入って寝る。」
「えー折角秋紀が喜ぶプレゼント持ってきたのに。」
「プレゼント?」
「誕生日でしょ?」


 そう言ってポケットから何かを取り出した遥香。手に握られているのは銀色の袋。


「ばっ!おま、なんつーもん持ってきてんだ!そんなもんどこで手に入れたんだよ!馬鹿捨てろ!」
「えー秋紀喜ぶと思ったのに。」


 遥香のポケットから出てきたそれは避妊具。まさか幼馴染みのポケットから誕生日プレゼントと称して出てきたのが避妊具って…!


「付けてあげるからズボン脱いでよ。」
「悪ふざけも大概にしろよ!」
「ふざけてないよ。こっちはオマケで、本当のプレゼントは私だよ?」
「そんな台詞何処で覚えてきたんだ!阿呆か!」
「さっき秋紀のベッドの下から出てきた雑誌に書いてたよ。」
「だから読むなっつーの!」


 頭を軽く小突くと、暴力反対と言って痛くもないであろう頭をおさえた。

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